同じガスでも、都市ガスとプロパンガスでは成分や発熱量が大きく異なり、それに伴って二酸化炭素の排出量にも差が生じます。
都市ガス(13A)のCO₂排出係数は前述の通り約2.29kg/m³ですが、プロパンガス(LPG)の場合は1m³あたり約6.23kgと約2.7倍にもなります。これは、プロパンガスの方が高カロリーである代わりに、燃焼時により多くの炭素を含むためです。
同じ調理時間・内容でも、使用するガスによって次のような差が生まれます。
調理条件別のガス種によるCO₂排出量比較(20分使用)
| ガス種 |
使用量(m³) |
CO₂排出係数(kg/m³) |
排出量(g) |
| 都市ガス |
0.1 |
2.29 |
229 |
| プロパンガス |
0.1 |
6.23 |
623 |
この違いは特に、地方部におけるプロパン利用家庭にとって無視できない問題です。例えば、オール電化への移行を考えている家庭では、「電気料金との比較」だけでなく、「排出量の観点」からもガス種の違いを正しく理解する必要があります。
都市部の集合住宅は都市ガスが中心ですが、郊外や戸建てではプロパンが主流という地域もあります。こうしたガス種の違いは、熱効率や調理性には大きな差を与えないものの、環境負荷という面で明確な違いを生み出しています。
そのため、ガス機器を新調する際は、単なる価格や使いやすさだけでなく、長期的なCO₂排出量も重要な判断材料といえます。環境配慮型ガスコンロを選ぶことや、効率的な使い方を心がけることが、日常生活の中でできる環境貢献につながります。
調理方法によってCO₂量は変わる?時間と熱効率の関係
ガスコンロの使用によるCO₂排出量は、単に「どれくらいの時間使ったか」だけでなく、「どう使ったか」によっても大きく変動します。特に、熱効率の良い調理方法や調理器具の使い方によって、同じ料理でも排出量を半分以下に抑えることが可能です。
主なポイントとして、次のような点が挙げられます。
調理時に排出量を抑える工夫の例
- 鍋に蓋をする
- 火力を必要以上に強くしない
- 常温に戻してから加熱する
- 小さい鍋を使う場合は小口径バーナーを選ぶ
- 煮込み料理などは一度沸騰後に保温調理器を活用する
たとえば、蓋を使って加熱するだけで調理時間を30%以上短縮できるケースもあり、それに伴いガス消費量とCO₂排出量も減少します。
また、熱伝導率の高い鍋(例えばアルミや銅製)を使うことで加熱効率が高まり、短時間で調理が完了するため、結果的にガスの使用量を抑えることができます。
以下のテーブルは、調理スタイルによってCO₂排出量がどう変化するかをまとめたものです。
調理スタイルによるCO₂排出量の違い(20分調理)
| 調理方法 |
火力 |
蓋使用 |
推定排出量(g) |
| 強火、蓋なし |
強 |
なし |
約270 |
| 中火、蓋あり |
中 |
あり |
約180 |
| 弱火、蓋あり、保温調理 |
弱+保温 |
あり |
約130 |
このように、火力と器具の選択、手順の工夫次第でCO₂排出量は大きく減らすことができます。ガス代の節約にも直結するため、光熱費を気にする家庭にとっても非常に有効な対策です。